30 Nov 2016
本日の研究会の内容です。
竹中先生:小学校におけるメンタルヘルスプロモーション介入の計画・経過報告
島崎:Kobau et al. (2011). Mental health promotion in public health: Perspectives and strategies from positive psychology. American Journal of Public Health, 101(8), e1-9.
小沼:博士論文公開審査会準備
小松沢:Parikh et al. (2015). Post-traumatic stress disorder and post traumatic growth in breast cancer patients: A systematic review. Asian Pacific Journal of Cancer Prevention, 16(2), 641-646.
私(島崎)は,白鷗大学という大学で非常勤講師をしております。昨日の健康心理学の授業は,「疾病・障害と心理学」というテーマで講義をしてきました。その感想用紙に学生から,「先生自身は,自分ががんと診断されたり,四肢の切断を経験したら,その現実を受け入れられると思いますか?」という非常に難しい質問がありました。
画像は,実際に講義で使用している資料の一部です。日本のデータではないですがJAMAのレポートによると,比較的身体症状がよいがん患者さんでもおよそ半数が精神疾患になるという報告があります。このデータはもう古いので,情報や治療の発展している現代には当てはまらない部分もあるかもしれませんが,「あなたはがんです。」と宣告されることによる心理的なダメージ,長期にわたりがんと向き合う大変さというのは今も昔も変わらず,とてつもなく大きいものなのではないかと思います。
今日の研究会の話題で,現在,乳がん患者さんの方の罹患後の心的外傷後成長に関して修士の小松沢さんが研究を進めていますが,望ましい支援のあり方というのは,慎重に考えていかなければならないことなのだなとつくづく感じました。
私の授業では冒頭で,感想用紙から授業に関連度の高い質問に回答する時間を設けていますが,答えるべきか,どう答えたら良いのか,非常に悩みどころです。普段この授業,笑いありで学生にも話を振り,板書は固く,進行はフランクにをモットーに進めていますが,珍しく,今回の授業は学生たちが,目の色を変えて受けてくれている感があったので少しだけ触れてみました。今や3人に一人はがんで亡くなる,4大死因(がん,心臓病,肺炎,脳卒中)だけで6割以上の方が亡くなる,重篤な疾病を避けられない時代ですので,一個人としても考えを巡らせることがあるトピックだと,伝える側ですが,学生に考えさせられたなと思う日でした。
(文責:助手 島崎)
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