3 Jun 2009
今回のブログ執筆担当、博士課程1年の斎藤です。
竹中研究室では、毎週水曜日9:30から研究会があります。心理・行動科学的研究は欧米が先行しているので自分の研究に関連した英語の先行研究論文を読み、要約して発表します。
本日の発表内容は、
堀内さん:イギリスの小学校における身体活動と摂食行動に関する介入研究
新倉さん:チームスポーツが肥満の子供に与える影響
飯尾さん:喘息の子供の受動喫煙暴露レベルに応じた親への客観的フィードバックと実践的なアドバイス介入が親の喫煙行動に及ぼす効果
原さん:肥満の子供における週2日の身体活動プログラムが日々の身体活動量に及ぼす影響
前場さん:老人における運動アドヒアランスに影響を与える要因:認知的変数vs社会的変数
でした。
研究会をしていていつも思うのは、心理・行動科学的研究は、対象や視点、テーマのバラエティの多さです。しかし、日本においてこの研究分野は課題が山積みで、多岐に亘る研究の必要性を感じます。先日、先生が関わられているある研究会を傍聴させていただきましたが、身体活動量不足は子どもからお年寄りまでどの年齢層においても問題になっているにも関わらず、まだほとんど具体的な策が講じられていないということを実感しました。また、欧米で証明された介入プログラムも人種、文化、習慣、気質、ライフスタイル…と異なる点が多い日本人に適用するには日本人に対する介入効果のエビデンスが必要だと思いますし、「わかっちゃいるけど、やれない…。」様々な対象者に効果の証明された介入プログラムを提供するために多くの研究が必要だと思います。
さて、そんな中、私はどんな研究デザインで研究をしていったらよいのだろうか?…と現在、欧米で行われているヘルスプロモーションプログラムの論文を読みながら考え中です。
欧米では、地域のヘルスプロモーションとして、その地域の企業や組織単位で人々の健康とヘルスケア経費の削減という両面に効果のあるヘルスプロモーションが求められていて、専門的な研究グループやヘルスケア企業がプログラムを考案、提供、その結果を追う研究事例が多くあります。日本においては、企業や組織でヘルスプロモーションをやっていこうとする動きは少ないと思いますが、アメリカの後追いをする日本でも徐々に実施されていくようになることが考えられます。…その必要性を説いていかないといけないのだとも思いますが…。
…ということで、日本人の特徴やニーズにあった効果が期待できるポピュレーションでのヘルスプロモーションプログラム開発を目標に、様々な対象者層、セグメント方法、アプローチ方法を考えて、方略を検討する研究をしていけたらと思います。研究デザインを考えるためには、まだまだ多くの論文を読まないと…そして、実験台になっていただける企業や組織、団体を探さないと…です。
追伸:写真は、私の愛用する万歩計です…。既に維持ステージにはいっている朝のウォーキングなのに、最近さぼり気味で“ラプス”状態(健康行動の逆戻り、不健康行動の再発)です。でも“ラプス”は、運動習慣を確立していく過程の一部であるということを先日の竹中先生の論文発表から学び、あまり気にせず、できる状態になったらまた再開しよう…と思っています…。(やらないことの言い訳??)
(文責:斎藤めぐみ)
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