キーワード/健康観・健康概念、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)、健康行動、ライフスタイル、行動変容、アドヒアランス、身体活動・運動、ウェルビーイング、メンタル・ヘルス、ストレス・マネジメント、保健指導、動機づけ

学会week

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

博士課程の上村です.

台風が近づいてきて,じめじめとした暑さが続いています.
今週は,竹中先生の書き込みにもありましたように健康心理学会があり,当研究室からは以下の発表をさせていただき,活発な議論がなされました.

<シンポジウム>
地域住民の健康増進を目的としたソーシャルマーケティング介入
企画・司会者:竹中先生 話題提供者:前場・島崎・竹中先生
<研究発表>
竹中先生 連想群分析法を用いた健康行動の認知に関する研究
島崎 スポーツ指導者のノンバーバルコミュニケーション,バーバルコミュニケーション,コーチングの関連性
前場 セルフ・エフィカシーの強化が高齢者の運動継続に及ぼす効果―メタ分析による予備的検討―
細井 地域在住高齢者の運動イメージに関する調査研究―運動習慣化群と非習慣化群との比較―
上村 健康行動の性質によるフレーミング効果の差異
鈴木 行動変容冊子を用いた栄養指導の効果の検証
斎藤 iPadを用いた健康行動の計画作成プログラムの開発と評価―特定保健指導に用いる対象者を行動変容に導くプログラムの効果検証―
飯尾 小児喘息管理に影響を与える家族内要因―喘息患児を養育する保護者を対象とした面談結果の分析

私自身は15~17日に行われました日本心理学会大会でもポスター発表をしてきたのですが,健康心理学会でいただいたものとまた異なる視点からのご感想やご指摘をいただき,大変勉強になりました.いろいろな学会で発表することはやはり大切なことですね.

さて,健康心理学会の話に戻りますが,上記のシンポジウムの際に,指定討論者の山田冨美雄先生がおっしゃったことで深く考えることがありました.
山田先生は「竹中先生の研究室の取り組みはネガティブアプローチ(疾病などのネガティブな要因をなくすことを主眼とするアプローチ)だが,時代の流れもあり,ポジティブアプローチ(問題の受容+よい点を伸ばしていこうとするアプローチ)にシフトしていくことも含めてはどうか」と述べられました.
対象を健康診断の受診行動としている限りにおいては,そもそも健康診断が疾病の予防・早期発見を目的としているネガティブアプローチなので,ポジティブアプローチにシフトすることは非常に難しいのではないかとそのときは思いました.しかし,健康行動を推奨するメッセージの内容と表現の工夫を考える私の研究の立場からは,「健康診断を受診しないと疾病を早期発見できず大変なことになりますよ」というメッセージから「健康行動を受診すると,もしかすると疾病が見つかるかもしれませんが,早期発見できれば疾病をコントロールして元気に活動することができますよ」というメッセージに変えることによって,ポジティブアプローチに近づけていくことは可能かもしれないと考えました.
他にもいろいろと考える機会をいただいた,実りの多い学会weekでした.

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

お知らせ

以下の動画は,早稲田大学応用健康科学研究室(代表:竹中晃二)が製作したものです。イベントなどでお使いの場合は,その旨を明示してお使いください。

NEW

学校ポジティブ教育で用いる児童用資料

検索