キーワード/健康観・健康概念、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)、健康行動、ライフスタイル、行動変容、アドヒアランス、身体活動・運動、ウェルビーイング、メンタル・ヘルス、ストレス・マネジメント、保健指導、動機づけ

昨日,アイルランドGalwayから帰国しました。

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アイルランド,Galwayで開催されたヨーロッパ健康心理学会に参加して,昨日帰ってきました。今回の大会は,幾分医療色が強いという印象を受けました。糖尿病や喘息の患者,COPDの患者に特化した行動変容介入プログラムのシンポや口頭発表が多かったですね。それらをeHealthやmHealthを用いて行っている発表も目立ちました。また,行動変容技法をいくつかにまとめて使いやすくするというのもありました。医療分野で,行動変容介入を行うというのは健康心理学の目玉です。日心の公認心理師カリキュラム標準シラバスの中で「健康・医療心理学」を見ると,そういうのがまるでないので「しまった」という気持ちもあります。いわゆる心理学専門で育ってきた,教育されてきた人にとっては,「こころ」の問題に注目が集まっていて,行動科学的な発想がないのでしょうか。医療分野での公認心理師の活動を考えた場合,行動変容介入は欠かせません。ここは,健康心理学のコンテンツとして他所にはない目玉商品でしょうか。この分野をシェープアップしていくならば,日本健康心理学会の方向性,あるいは会員の特徴として,一つは従来の心理学教育を受けて健康や医療に興味を持っている人への教育研究,そしてもう一つはコメディカル・スタッフとの協働や指導・教育を考えることでしょうか。こういうアイデンティティを明確にすることが,健康心理学の独創性になるのではないという感想を持って帰ってきました。スマートフォンをつかった,沖電気との共同研究も進んでいますが,単に汎用型ではなく,対象者の特徴やニーズにどのように合わせていくかが課題であることを強く認識できました。
写真は会場となっていたNational University of Ireland, Galwayの象徴となっている建物です。

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