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たばこの煙には巻かれない:杉田秀二郎理事、研修担当

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10月から11月にかけて、第18回日本禁煙科学会学術総会、第17回日本禁煙学会学術総会に参加しました。健康心理学では、たばこは身体的影響だけでなく依存等の心理的影響もあること、および受動喫煙により他人の心身への被害も起こり得ることから、たばこを吸わないこと(禁煙・非喫煙)が強く推奨されています。また自身が喫煙者にならないことだけでなく、受動喫煙を避けるための正しい知識を得ることも自分や周りの大切な他者の健康を守るために必要であり、そのための小さい頃からの防煙教育(一旦吸い始めて習慣になると禁煙が困難になるため、初めから吸わないようにする)も必要とされています。
健康に関連する諸分野では当然そのように考えられている中で、たばこ産業の地上波テレビコマーシャルにたばこそのものや喫煙シーンは登場しません。それはたばこ産業側の自主規制ながら、CMやドラマ等におけるたばこや喫煙シーンの青少年への影響を考慮しているからに他なりません。
ところがここ数年の地上波で、CMではなく番組内で堂々と(?)たばこや喫煙シーンが映っています。それは喫煙者であることを公言している特定のお笑い芸人や特定の番組で、たばこ産業の会社がスポンサーになっている場合が多いのです(それ以外もある)。しかもゴールデンタイムであったりせいぜい22時台であったりで、青少年も見る可能性が高いものです。
…自主規制とはいえCMで映らないようにしているものを、番組内で映してしまっては意味がありません。いや、むしろスポンサーの代わりにあえて映しているのだろうか?と思ってしまいます。私はよく理解できなくてどこかモヤモヤした感じで、煙に巻かれているような気になります。たばこ問題だけに…。
(なお、たばこ産業の会社は、たばこや喫煙シーンはないものの10月に「各」全国紙に全面広告を出しています(写真:抄録集の下)が、これはたばこ産業の会社から各マスコミに広告料が支払われているという点でテレビ局と同じ構造だと思っています。
(文化学園大学・杉田秀二郎)

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