キーワード/健康観・健康概念、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)、健康行動、ライフスタイル、行動変容、アドヒアランス、身体活動・運動、ウェルビーイング、メンタル・ヘルス、ストレス・マネジメント、保健指導、動機づけ

負担感が低く実行可能性の高い身体活動の種目について検討した論文が英国科学雑誌Psychology, Health & Medicineに掲載されました。

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所沢の雪はほぼ溶けていますが,フロンティアリサーチセンターの雪はまだ溶けません。
丘の上だからか,ひときわ寒さが厳しく思います。

この研究は,健康科学について考え始めてから,以外にも「一般の人たちが健康に良いだろうと思って実際におこなっている行動とはなにか?」という素朴な疑問に答えられる研究の知見が非常に少ないということに気づきましたところからはじまりました。
学部の時からスポーツの競技力向上を目的としたメンタルトレーニングを学ばせていただいている恩師の話で,「メンタルトレーニングで具体的にトレーニングする,感情をコントロールし,競技力を高めるための心理的スキルは,トップ選手が実践している行動や考え方を調査し,類型化したものがもとになっている」とお聞きしたことが頭に残っていました。これは,おそらく健康づくりでも一緒で,健康科学をやっている学者が健康づくりのための推奨行動を考えるよりも,一般の人たちが実際におこなっている行動を調査して専門家が健康の保持・増進に対する肯定的な影響の妥当性を判断し,推奨行動の決定にいかしてしまった方が,対象者にとって負担感が低く,実行可能性が高い支援が可能となるのではないかと考えて細々と研究を進めていました。

今回の調査では,身体活動,食行動,および心の健康増進行動の3つについて,質的に検討を進めてきました。食行動と心の健康増進行動については,すでに学術論文にすることができましたが,その一連の研究の最後にあたるものです。

質的研究かつサンプルサイズも調査範囲も限られておりますので,知見の一般化には注意が必要ですが,なんとなく実感として納得できる結果になったように思います。
興味のある方はご参照いただければ幸いです。結果の日本語版も近いうちにどこかの書き物で紹介できればと思っています。

Takashi Shimazaki, Misa Iio, YingHua Lee, Kayo Konuma & Koji Takenaka (2016): Exploring physical activity with a low psychological burden and high feasibility in Japan:A qualitative study. Psychology, Health & Medicine

[文責:助手 島崎]

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